浮遊物がいつもと違うときは要注意!
飛蚊症で眼科を受診して年齢による硝子体の変化なので心配ないといわれることがよくあります。しかし網膜裂孔や網膜剥離がおきたときは、普段よりも飛蚊症の「浮遊物」の数が急激に増えることがあります。
「浮遊物」の数が増えた、あるいは大きくなったなどいつもとちがう気がする時は、眼科で検査を受けましょう。
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徐々に剥離がおこる場合では初期症状があることも
「網膜剥離」は前ぶれなく突然起こる場合もありますが、網膜裂孔(もうまくれっこう)という小さな穴が空いて、徐々に剥離が起こる場合には、注意すると何らかの自覚症状を伴うことがあるので、以下の様な症状が現れた場合は、眼科を受診して精密な眼底検査(がんていけんさ)を受けることをおすすめします。
網膜剥離の初期症状として最も多いものが「飛蚊症」です。視野の中に黒い点や線のようなものが浮かんで見えるという症状で、まるで蚊が飛んでいるように見えるということから飛蚊症と呼ばれています。
実際には硝子体(しょうしたい)という眼球内部のゼリーのような組織が年齢的な変化で縮んだり濁ったりして黒いものが浮かんで見えるようになるという現象で病気ではないことが多く、これを生理的飛蚊症と呼びます。
しかし、網膜剥離の一歩手前である網膜裂孔ができたときに、色素が眼内に飛び散って飛蚊症を自覚することもあるので、急に飛蚊症が出た場合には、すぐに眼科を受診するのがよいでしょう。
飛蚊症で眼科を受診して年齢による硝子体の変化なので心配ないといわれることがよくあります。しかし網膜裂孔や網膜剥離がおきたときは、普段よりも飛蚊症の「浮遊物」の数が急激に増えることがあります。
「浮遊物」の数が増えた、あるいは大きくなったなどいつもとちがう気がする時は、眼科で検査を受けましょう。
光視症は、実際にまぶしいものを見たわけではないのに、視界のなかにカメラのフラッシュのような光が突然見えるという症状です。昼間は気づかなくても夜暗い部屋などで感じることが多いようです。
光視症も飛蚊症と同じように硝子体の年齢的な変化が原因で、異常ではないこともありますが、網膜剥離の原因である網膜裂孔ができたときにも現れることがあるので、念のため眼科を受診して眼底検査を受けることをおすすめします。
飛蚊症と併発することが多くあります。飛蚊症も光視症も、加齢でもよくおこる症状ではありますが、万が一ということもありますので、症状が気になる場合はやはり検査を受けることをおすすめしています。
視野が欠ける・見える範囲が狭くなってくる
網膜剥離が起きてしまうと、網膜が剥がれた部分では物が見づらく、あるいは見えなくなります。これを視野が欠ける(視野欠損)といいます。視野が欠ける病気として緑内障が有名ですが、網膜剥離の場合は急激に起こって進行も早いというという特徴があります。上の網膜は下方の視野を、下の網膜は上方の視野を感じるので、例えば、上方の網膜が剥がれると、下方が見えなくなります。さらに文字や形、色を感じる上で最も重要な、網膜の中心部の黄斑(おうはん)まで剥離が進むと、視力が極度に低下します。
目をカメラにたとえると、網膜はちょうどカメラのフィルムのような役割をしている部分です。網膜の上部分は下の、下部分は上のほうの視野を感じとっています。目がカメラと違うところは、黄斑部というポイントが存在し、その1~2mmの小さな部分で、細かい文字や形、色などを、繊細に感じ取っているという点です。なので、その黄斑部の網膜は特にとても重要で、剥がれてしまうと急に視力が低下します。治ってもゆがみや小さくみえるという後遺症が残ることがあります。
放っておくと徐々に症状が進行してしまいます
網膜は神経組織がつまった薄い1枚の膜で、剥がれた網膜はゆらゆらと揺れながら裂け目からどんどん水が入り込み浮く範囲が広くなります。したがって時間がたつにつれ剥離が進行していき、見える範囲がだんだんと狭くなります。全部の網膜が剥離すると、ほとんどみえなくなり、それを長期間放置すると光も感じなくなってしまいます。
ある程度見えていても網膜剥離を長い間放置すると、網膜の上に繊維状の増殖膜(ぞうしょくまく)が張ってきます。
また再発すると比較的短い時間で同様の変化が起きることがあります。
増殖膜ができた状態を「増殖性硝子体網膜症」といい、治すのが非常に難しいのです。そのため、網膜剥離はできるだけ早期発見・早期治療が必要なのです。